アキレス腱に負担が蓄積すると、腱実質やその周囲の滑液包で炎症が生じることがあります。特にスポーツや仕事などで、オーバーユースの方が多いです。エコーをするとその炎症部位が同定できます。その可視化した部位に施術を行います。
アキレス腱に負担が蓄積するとその部位に炎症が生じることがあります。適切な安静期間をとらないと慢性化することがあり注意です
アキレス腱に急な負荷がかかると腱が断裂することがあります。エコーをすると断裂の範囲や動態を可視化できるため有用です。
肥満や環境による負荷の蓄積により、足底腱膜の踵側に炎症をきたすことがあります。難治しやすいので早めの安静が必要です。
初期治療は、お薬とリハビリです。「炎症をしずめつつ、痛みをとるお薬」を内服・外用しながら、リハビリの先生の指導をうけると痛みが早く緩和します。リハビリの先生は、痛みの再燃を防ぐための指導もしてくれます。強い痛みの場合や痛みを早くとりたい場合は、局所に炎症をしずめる薬を注射します。当院では、注射をするときは超音波エコーを用いて、ターゲット部位に正確に打ちますので、安全性が高く、速やかな効果が期待できます。MRIをすることで、筋腱組織や関節の中の状態を精密に把握できます。精密検査をして正しい診断をつけましょう。正しい診断と治療によって、痛みは早く軽快し、再発をさせずに長期的な好成績を生むことができます。
消炎鎮痛剤はいろいろな種類があり、強さも副作用も異なります。上図は、その一例を示したものです。図の右に行けばいくほど、炎症をしずめる効果は高くなりますが、長期に連用すると副作用が生じる確率が増えます。逆に図の左に行けばいくほど、副作用のリスクは減りますが、効果の即効性は低くなります。適切な時期に適切な薬剤を使うことで、効果は高まり副作用を減らすことができます。そのあたりを診察で適切に指導させていただきます。
練習量と安静量のバランスが崩れると、疲労が蓄積しパフォーマンスが低下します。ここで、適切な休息をとり、バランスを取り戻すと「超回復」といったよい現象が生じ、競技能力が向上します。練習量過多の状況がつづき、安静量とのバランスが悪くなると、長期的なパフォーマンス低下に陥り、慢性的な痛みが生じます。しだいに関節軟骨の損傷は進行し、変形性関節症や疲労骨折に進行することもあります。するとさらに、治療期間がのびて、活躍の道が絶たれることになります。適切な練習量と安静量のバランスをとって、痛みを予防することが競技能力の向上に大切です。万一、痛みが生じた場合は、早期に対処することが重要です。当院では、こうした予防や早期対処に重きをおいた指導を行います。
痛みのメカニズムは非常に複雑ですが、あえて単純に表現すると3つの集合の組み合わせで起こっていることが多いです。①局所の炎症 ②神経損傷 ➂心因ストレス等。まずはじめに、①の炎症を鎮めるお薬を使うことが多いですが、神経系の痛みが疑われる場合、心因的な痛みが疑われる場合には、特有のお薬をだしていきます。それぞれのお薬には必ず、効果と副作用の両者があります。一人一人の状態に合わせて、正しく使用すると、副作用を限りなく少なくしながら、適切な効果を引き出せます。そのあたりの指導を診察でさせていただたいと思います。