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加齢・体質・環境による負荷の蓄積によって、関節の軟骨や半月板は、徐々に摩耗します。次第に、骨と関節は変形を始めます。これまで、つるつると動いていた関節面は、しだいにざらざらして、最後にはゴツゴツするというようなイメージです。さまざまな疾患の終末像であり、進行すればするほど膝は痛み、機能は低下します。早め早めの診断と対処が必要であり、MRIを用いて精密に評価することが大切です。
半月板損傷を放置すると軟骨に負担がかかり、しだいに変形性関節症に移行します。
損傷形態をMRIを用いて評価しましょう。
前十字靭帯断裂をはじめ、膝の靭帯損傷を合併すると不安定性が生じ、軟骨と半月板に負担が蓄積して徐々に変形性関節症になります
自己免疫によって、関節内の滑膜が強く炎症します。しだいに関節内の正常構造物が次々に破壊され、変形していきます。
変形性膝関節症の進行にはO脚が強く関与します。O脚になると上図のように膝の内側部分に応力が強くかかります。しだいに、内側の半月板と軟骨は徐々に摩耗し、ますますO脚になるという悪循環に陥ります。膝が痛くなった場合、局所のみに着目するのではなく、股関節から足までの全体的なアライメントを評価する必要があります。当院では、CTを用いて3次元的にアライメントを評価しています。
初期治療は、お薬とリハビリです。「炎症をしずめつつ、痛みをとるお薬」を内服・外用しながら、リハビリの先生の指導をうけると痛みが早く緩和します。リハビリの先生は、痛みの再燃や病態の進行を防ぐための指導もしてくれます。強い痛みの場合や痛みを早くとりたい場合は、膝関節内に炎症をしずめる薬を注射します。当院では、注射をするときは超音波エコーを用いて、ターゲット部位に正確に打ちますので、安全性が高く、速やかな効果が期待できます。MRIをすることで、関節の中の状態を精密に把握できます。精密検査をして正しい診断をつけましょう。正しい診断と治療によって、痛みは早く軽快し、長期的な好成績を生むことができます。
消炎鎮痛剤はいろいろな種類があり、強さも副作用も異なります。上図は、その一例を示したものです。図の右に行けばいくほど、炎症をしずめる効果は高くなりますが、長期に連用すると副作用が生じる確率が増えます。逆に図の左に行けばいくほど、副作用のリスクは減りますが、効果の即効性は低くなります。適切な時期に適切な薬剤を使うことで、効果は高まり副作用を減らすことができます。そのあたりを診察で適切に指導させていただきます。
変形性膝関節症は徐々に進行し、関節機能は徐々に低下していきます。保存加療に抵抗する場合は、骨切り術や人工関節置換術で根治させることができます。特に膝が痛くて、動きが悪くお困りの場合は手術適応になります。長く痛みで困っている方は、ご相談ください。